20代の憂鬱

どーしよーもなかった自分の20代をリアルに振り返ります。たまに近況報告。

20代の憂鬱〜21歳⑤〜

1人になった私は、またひたすら忙しい日々を過ごす。バイトバイトバイト…

 

一応、教育学部なので…笑 教育実習にも行ったり、トモダチと飲みに行ったり…

なるべく1人の時間は作らないようにしながら、それなりに過ごしていた。

 

夏休みを迎える頃、夜家でゴロゴロしていたら家電が鳴った。

電話を取った妹が

『おねーちゃん、電話ー!!』

 

え??

 

連絡手段はもうケータイがメインなのに、家電??誰だ!?

 

『もしもし…』

『………。』

『もしもーし??』イタ電かよ!?

 

『………ミヤ?』

『コウ!?』

 

電話の相手は1個上のコウ。

私の初恋の相手だった。初めて異性として好きだと思った人。勉強もできて、スポーツ万能、顔もキレーで、背はちょっと低いけど。笑

 

友達としてはよく話したし、遊んだけど、結局気持ちも伝えられないまま、コウは1年早く中学生に。やっと中学校に入学し、同じ陸上部に入部するも、なんだか難しいお年頃の男子は女子とは距離を置いていた。

 

コウは県内トップの進学高に入学し、東京の某有名私立大学の経済学部に進んだ。中学校を卒業してからは全く接点がなかった。最後に交わした言葉はコウの高校受験の合格発表の日。合否が気になって仕方なかった私は校内でコウを見かけて追いかけた。

 

『コウ!!どうだった?』

『合格。』

『よかったーーー!!おめでと!』

『おう!』

 

最後に笑顔が見れて良かった。甘酸っぱい初恋の思い出…

 

そんなコウから突然の電話。

『どしたの??』

 

話を聞けば、体調を崩して大学を辞め、地元に帰ってきたとのこと。

夏から予備校に通い、薬科大を受験する予定だと。

 

久しぶりの会話。最初は驚きとキンチョーでぎこちなかったけど、昔のように話は尽きなかった。家も近いのに、電話っていうのも…ってことで中学校のグランドで待ち合わせて会うことにした。

 

徒歩5分。

夜中に歩く久しぶりの通学路。なんか不思議な感じ。

 

久しぶりに会ったコウは少し痩せてた。2人でグランドを見ながらたくさん話した。あの頃のこと。これまでのこと。これからのこと。

 

昔、この場所からコウが走る姿をずっと見てたよ。話せなくても、見ていられるだけで満足だったよ。気持ちは伝えられなくても、そんな幼い恋心を抱きながら、ずっと見てたんだよ。

 

そんなこと、言えるはずもないけど…今はトモダチとして、楽しい時間を過ごした。

 

その日から、コウと過ごす時間が増えた。ちょうど夏休みに入ったこともあり、日中コウは予備校、私はバイト。

 

コウはその後図書館で勉強していて、私も夜の講義がない時には一緒に図書館で過ごした。ちょうどその頃、苦手な数学を塾で受け持つことになり、自信がなかった私は数学検定の勉強をしていた。

 

the文系の私は数学がホント苦手。理系のコウは数学バカな私に丁寧に数学を教えてくれた。

 

夜勉強しててわからないことがあれば電話したり、結局話が盛り上がってまたグラウンドで会って過ごしたり。図書館近くの公園で参考書広げてたら、天気雨に降られてズブ濡れになって笑ったり…

 

私にとっては初恋のやり直しみたいな時間だった。気持ちはあの頃と違うけれども、一緒にグラウンドで語り合ったり、一緒に勉強したり…あの頃はしたくてもできなかったことが、キラキラと叶えられていく。

 

少し前のドロドロした気持ちが嘘みたいに消えていた。

 

お陰で数学検定2級に合格。少し数学が好きになった。笑

夏休みの課題で苦労した経済学の論文。夜な夜な語り合った資本主義、社会主義…書き上げた物は学年トップの出来で誉められた。笑

 

ねぇ、楽しかったよね!

コウに教えてもらったことたくさんあるよ。

数学だって経済だって、バスケもパソコンも!あんなにキラキラした時間もくれた!

 

私はコウになにをあげられた…?