20代の憂鬱~ハタチ③~
すぐに駆け降りてきた彼は私を抱き締めながら言った。
『おいで、今部屋にいるのはなんでもないから。』
なんでも…ない…•́ω•̀)?わけあるかよ(。・д・)ノ)´Д`)ビシッ笑
連れられるまま、部屋に戻ると、そこにいたのは…
『こんばんわ。お久しぶりです。』
智絵ちゃん…??
元カレのトモダチの妹。んと、つまり私の後輩でもある。
『最近、たまーに遊びに来んの。智絵、今日は悪ぃけど、もう帰んな。』
『うん。ミヤ先輩また!』
だからさ、なんでもないワケないべ。
笑顔の中で目が言ってる。
なんで、今更アンタが出てくるのよ。って。
その頃、セミロングくらいの髪の長さで、男兄弟の中で育ったからか、ボーイッシュな雰囲気が残ってた彼女。
その後、彼女の変化にビビることになるとは…
結局、私は元カレと離れることができずに月に何度か会うような関係が続いた。
夜行性の彼に会うのは夜、大学行ってバイトして、22時過ぎくらいに彼の部屋に行く。
帰ってくるのは朝方、ほとんど寝ずに学校へ行く。
学校サボったりしたら、ケンジに怒られる。てか、バレちゃう。
眠い、ダルい。
それでも、会いたかった。
夜は好きだった。
灯がなくても、月と星で必要な物は見えてた。
空を見上げながら、何十回、何百回あの道を歩いただろう。
どうしようもなく惹かれながらも、ズルい私は保険としてケンジとの関係も壊したくなかった。
1人になるのは、また裏切られるのは…怖かった。
そして、年が明け成人式を迎えた。